環境(E) 気候変動への対応
基本的な考え方
本投資法人及び本資産運用会社は、スポンサーであるカナディアン・ソーラー・プロジェクト株式会社とともに、地球環境に配慮しながら、地域における持続可能な経済社会の構築に寄与するため、再生可能エネルギーの発電設備等を主たる投資対象として運用しており、ESG理念における環境を主軸にしたビジネスを展開しております。
■TCFD(*)提言に基づく気候変動への取組に関する情報開示
事業を運営するにあたって、気候変動問題はリスクや機会になりうる重要な経営課題と認識しており、TCFDが推奨する「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標及び目標」に関する情報の開示を進めることにいたしました。
(*)TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)
Task Force on Climate-related Disclosures: G20 財務大臣及び中央銀行総裁の意向を受け、金融安定理事会(FSB)により設立されたイニシアティブで、気候変動によるリスク及び機会が及ぼす財務的影響を評価、開示することを推奨。

ガバナンス
本投資法人の役員会は、気候変動対応を含むESG課題について、「サステナビリティ委員会」より年2回の報告を受けることで監督しています。
同委員会は、委員長である代表取締役社長が、気候関連リスク、機会を管理する責任を負い、再生可能エネルギーに関する政策動向や気象災害等に関する最新の知見を基に、各業務執行部門が起案したリスク・機会の特定や対処方針等に対して、助言・指導を行っています。

リスク管理
本投資法人及び本資産運用会社は太陽光発電気候関連リスク・機会について、事業への影響度や発生可能性、事業戦略との関連性、ステークホルダーの関心度等を勘案し、重要度を評価しています。
気候関連リスクの管理プロセスについては、既存のリスク管理体制において定めているリスク管理規定や、リスク管理方針に統合し、特定された重要なリスクについて、「リスクの把握・認識方法」「リスクリミット」「リスク低減の方策(リスクへの対処方法)」「リスク発見時のリスク削減方法」等の観点から管理しています。
戦略
リスク・機会の特定
気候変動にともなうリスク・機会には、再生可能エネルギーの電源構成に占める比率の拡大等の脱炭素へ向かう社会における「移行リスク/機会」や、気象災害の激甚化等の気候変動による「物理的リスク/機会」が考えられます。
本投資法人及び本資産運用会社では、これらのリスクや機会による影響の発現時期はそれぞれ異なると認識しており、短期(5年以内)、中期(5年超15年以内)、長期(15年超)の観点で以下の表のとおり整理しました。
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分類 | 主要なリスク・機会 | 発現時期 | |
---|---|---|---|
移行リスク | 規制 | 環境影響評価の厳格化への対応 | 短期 |
出力抑制による売電量の減少 | 短期 | ||
市場 | 人口減少による電力需要の減少 | 長期 | |
素材産業の衰退による電力需要の減少 | 長期 | ||
技術 | 分散型エネルギーの普及にともなう家庭用市場の拡大による事業用市場の縮小 | 中期 | |
物理的リスク | 急性 | 気象災害の激甚化による気象災害対策費用の増加 | 短期 |
慢性 | 気象パターンの変化による売電量の減少 | 短期 | |
機会 | 製品・サービス | 省エネ需要の増加にともなう売電量の増加 | 中期 |
市場 | 水上設置型、営農型太陽光発電設備等の設置区分の拡大による売電量の増加 | 中期 | |
エネルギー集約産業等の電化による電力需要の増加 | 中期 | ||
技術 | 太陽光発電設備の累積生産量の増加による設備費の減少 | 中期 |
シナリオ分析の実施
抽出・整理した気候関連リスク・機会について、事業への影響度、事業戦略との関連性、ステークホルダーの関心度等を勘案し、「重要度が高い」と評価した次のテーマについてシナリオ分析を実施しました。
- 気象災害の激甚化による発電所への影響(洪水・高潮・風害)
- 再エネ需要の増加にともなう売電量の増加
- 水上設置型、営農型太陽光発電設備等の設置区分の拡大による売電量の増加
- 太陽光発電設備の累積生産量の増加による設備費の減少
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指標と目標
本投資法人及び本資産運用会社の主な事業である太陽光発電設備への投資・運用において、政府の脱炭素やエネルギー政策が重要であると認識しています。第6次エネルギー基本計画では、再生可能エネルギーは上位の主力電源化が掲げられ、2030年政府目標の電源構成比率は2019年度実績(18%)対比約2倍となる36~38%が見込まれています。拡大する再生可能エネルギーの中でも太陽光発電は、最も比率が高く電源全体における割合として 14~16%となることが期待されています。
今後の投資方針やリスク・機会を管理する上では、国の電源構成に占める太陽光発電の動向を指標として、持続可能な経済社会の構築に貢献してまいります。

また、太陽光発電による安定的な売電収入の確保には、出力制御による売電ロスの低減化が重要と認識しています。そこで、これまでオンライン出力制御装置を導入してきましたが、今後も費用対効果を見ながら順次移行を検討してまいります。
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導入時期 | 対象発電所 |
---|---|
第8期まで | CS益城町発電所、CS志布志発電所。CS南島原 (東) (西) 発電所 |
第9期まで | 上記3発電所及び日出町第二発電所を除く九州電力管内に所在するすべての発電所 |
第10期まで | 日出町第二発電所を含む九州電力管内に所在するすべての発電所 |